今回は慶応SDM(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)についてご紹介します。
1. 慶応SDMの特徴
慶応SDMの特徴を紹介していく前にまずは、システムデザイン・マネジメントとは何なのか解説していきます。
1.1 システムデザインマネジメントとは
システムデザインマネジメントとは、システムの全体と部分の関係を分析し、解決策をデザインして、マネジメントする全体統合型の学問です。
慶応SDMは領域を問わず、広くシステムという視点から問題解決に取り組む大学院です。
また、慶応SDMは現実世界の課題に挑み、未来を創るための研究と実践の場を提供します。
1.2 慶応SDMの特徴
では、ここからは慶応SDMの特徴を紹介していきます。
慶応SDMの特徴は以下の通りです。
慶応SDMの特徴
- 多様性
- 社会人学生が学びやすい環境
- 海外との豊富な連携
では、それぞれ詳しく解説していきます。
多様性
慶応SDMには色々な学生がいます。
慶応SDMの学生の特徴は以下の通りです。
慶応SDMの学生の特徴
- 社会人が半数以上
- 異なる専門性 (社会人の出身業種が製造業からサービス業まで様々)
- 留学生の幅広い受入れ (2023年2月時点までの受入実績が35か国)
上記は2023年2月時点でのデータです。
(基礎データ | SDM|慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 (keio.ac.jp)参照)
色んな人と話して、刺激を受けることができるからいいですね。
社会人学生が学びやすい環境
慶応SDMには社会人として仕事をしながら通っている学生が多いため、社会人学生が学びやすい環境があります。
社会人学生が学びやすい環境の例は以下の通りです。
社会人学生が学びやすい環境の例
- 夜遅めの授業がある (5時限は17時15分、6時限は19時から開始)
- 土曜も一日中授業がある
- 多くの授業をビデオに収録し、アーカイブ教材として保管
社会人として仕事をしながら通いやすい環境が整っていますね。
海外との豊富な連携
SDM研究科はマサチューセッツ工科大学・モンクレア州立大学などとの連携をしています。
なので、日本で海外の著名教授の講義を受講することができます。
また、これらの大学とは積極的に交換留学も行っています。
2. 求める受験生像
受験をする上で、大学の研究科がどのようなことを求められるのかを知ることは重要です。
なぜなら、自分のやりたいことと合致しているのか理解でき、問題の出題の意図も把握できるからです。
では、慶応SDMではどのような能力が求められているのか解説していきます。
2.1 求める受験生像
慶応SDMの求める受験生像は以下の通りです。
求める受験生像
- 現代の大規模・複雑な諸課題の解決を実践できることを目指す人
(技術システムのデザインとエンジニアリングに関する研究を行うことを通して) - 現代の多様な社会システムの問題解決を実践できることを目指す人
(プロジェクトを成功に導くリーダーシップ及びマネジメントに関する研究を行うことを通して)
博士課程は上記の研究を通して、高度な学術的研究をおこない、研究者や社会的実践者として各分野に貢献することを目指す人が求められています。
2.2 育成する学生像
慶応SDMの育成する学生像は、新しく大きな構想を描き、世界をリードしていける人材です。
その例は以下の通りです。
育成する学生像の例
- システムズデザイナー (大規模・最先端技術システムを適切にデザインする)
- プロジェクトリーダー (大規模プロジェクトを運営していく)
- ソーシャルデザイナー (環境問題や社会問題に対して斬新な社会システムを提言する)
慶応SDMは様々な分野で新たなシステムを作る人材を育成することを目標としているのですね。
3. コース・制度・カリキュラムの特徴
次に、カリキュラムやコースについて解説していきます。
3.1 カリキュラムの特徴
慶応SDMでは基礎や専門分野の知識を学ぶとともに、現実の問題解決にも取り組み、実践の体験を積んでいきます。
知識と体験を融合させることで、システムを深く理解できます。
さらに、システムを的確に構築・マネジメントしていく総合力を身につけられるようにもなるようにカリキュラムが組まれています。
知識と体験を統合することで、システムに取り組む総合力を高めることがカリキュラムのコンセプトです。
3.2 カリキュラム内容
では、次に実際のカリキュラムの内容を簡単に解説していきます。
慶応SDMの代表的なカリキュラムを2つ紹介します。
慶応SDMの代表的なカリキュラムは以下の通りです。
慶応SDMの代表的なカリキュラム
- システムズエンジニアリングの基礎
- デザインプロジェクト
では、それぞれ解説していきます。
システムズエンジニアリングの基礎
修士課程では、まずシステムズエンジニアリングの基礎について学びます。
そして、その基礎から発展して、様々な分野のシステムについて専門的に学んでいきます。
基礎を学び、そこから専門的なことを学ぶことで、基礎となる知識をつなぎ、実際に役立つ知恵と変えることができます。
デザインプロジェクト
デザインプロジェクトは社会に全く新しい価値やその変化をもたらすための手法と考え方を、実践的に学ぶプロジェクト型の講義です。
実際に、企業や自治体が抱える課題に取り組むこともあります。
プロジェクト事例は以下の通りです。
プロジェクト事例
SDM2023_jp.pdf (keio.ac.jp) から引用
- 株式会社ジンズホールディングス : アイウェアにより豊かになる生活とはどのようなものなのか?
- 株式会社プロドローン : SDGs達成への貢献を意識するためにドローンが出来ることは何か?
- ホッピービバレッジ株式会社 : ホッピーを含めた瓶製品およびガラス瓶の新たな価値の再構築
- 三井不動産株式会社 : 三井不動産が、圧倒的に選ばれる「働き方」を提案するにはどうすればよいか?
知識や知恵を得るだけでなく、実践することによって自分の力にできるのがデザインプロジェクトなのですね。
3.3 修士2コース制
修士課程は、様々なニーズに対応するために2つのコースがとられています。
2コースは以下の通りです。
修士2コース制
- リサーチインテンシブコース
- ラーニングインテンシブコース
では、詳しくそれぞれ解説していきます。
リサーチインテンシブコース
リサーチインテンシブコースは、講義科目よりも研究科目に少し重きを置いてます。
対象者は多くの研究経験を積みたい社会人や新卒学生です。
ラーニングインテンシブコース
ラーニングインテンシブコース、講義科目に少し重きを置いてます。
対象者は社会人経験3年以上のキャリアを有し、既に専門能力を有する社会人です。
ラーニングインテンシブコースは、既に研究や実践の経験値が多く、多様な問題のシステムとしての理解を重視したい人向けです。
詳しく知りたい方は、以下のリンク(慶応SDMのHP)をご覧ください。
修士2コース制 | SDM|慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 (keio.ac.jp)
4. 修了後のキャリア
慶応SDMでシステムの体系を学び、リーダーや経営者となる基礎を身につけた修了生は分野を問わず活躍しています。
では、社会人・新卒修了生は具体的にどのような所で活躍しているのでしょうか。
4.1 社会人修了生
社会人修了生の修了後の主なキャリアは以下の通りです。
社会人修了生の修了後の主なキャリア
◆技術系
- シニアプロダクトマネジャー
- システムアーキテクト
- ハードウェアやソフトウェア開発のディレクター
◆社会科学系
- サービス産業のシニアマネジャー
- サービス産業のディレクター
- サービス産業のコンサルタント
◆多彩な人材
- 会社経営
- 公務員やNPO/ NGO職員
- 教育・研究、法曹など専門職
4.2 新卒修了生
新卒修了生の修了後の就職実績は以下の通りです。
新卒修了生の修了後の就職実績
- 中央官庁、地方公務員、大学
- KDDI、ドコモ、NTTデータ
- みずほ証券
- 丸紅
- トヨタ自動車
- 日立製作所
起業する人や、慶応SDMの後期博士課程に進学する人もいます。
詳しく知りたい方は、以下の記事(慶応SDMのパンフレット)をご覧ください。
5. 人気教員・研究室pickup!
慶応SDMの教授で、論文賞やグッドデザイン賞などを受賞している神武 直彦教授をpick upしていきます。
5.1 経歴・専門分野
神武教授の専門分野は以下の通りです。
神武教授の専門分野
- 社会技術システムのデザイン
(イノベーション、医療、宇宙システム、教育、都市計画、防災情報、IoTなどが対象)
また、神武教授の経歴は以下の通りです。
神武教授の経歴
- 慶應義塾大学大学院理工学研究科修了
- 宇宙開発事業団入社
- 日本スポーツ振興センターハイパフォーマンス戦略部アドバイザーなどを歴任
神武教授が担当するプロジェクトは以下のリンクをご覧ください。
研究 | Sensing & Design Lab. | 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 センシング・デザインラボ(神武研究室) (keio.ac.jp)
神武教授が担当するプロジェクトのジャンルはとても幅が広いです。
6. 入試概要
例として、2023年の入試スケジュールを上記に挙げています。
例年このようなスケジュールでおおよそ行われます。
4 月入学 : 日本語講義中心のカリキュラム
9 月入学 : 英語講義中心のカリキュラム
入学時期選択は注意しましょう。
6.1 入試の内容
入試の内容は大きく2つに分かれ、以下の通りです。
入試の内容
- 1 次選考 : 書類審査
- 2 次選考 : 小論文試験および口頭試問
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
1 次選考 書類審査
1次選考の書類審査の内容は以下の通りです。
主な書類審査の内容
- 成績証明書
- 職務経歴書 (社会人入試志願者および在職経験のある一般入試志願者のみ)
- 業績書 (社会人入試志願者および在職経験のある一般入試志願者のみ)
- 研究計画書 (博士後期課程のみ)
- 修士論文等 (博士後期課程のみ)
詳しくは、慶応SMDの募集要項(guideline.pdf (keio.ac.jp))をご覧ください。
2 次選考 : 小論文試験および口頭試問
2次選考での内容は以下の通りです。
2 次選考の内容
guideline.pdf (keio.ac.jp)から引用
- 小論文試験および口頭試問では、システム、デザイン、マネジメントへの理解を中心として、論理的かつ俯瞰的思考力をみます。
- システム、デザイン、マネジメントとの関連性を含めて専門分野に関する知識、後期博士課程での研究計画等について口頭試問を行います。
7. 入試合格のポイント
入試合格のポイントを解説する前に、慶応SDMがどのような方針で教育しているのか理解していきましょう。
7.1 入試においての重要ポイント
慶応SDMの募集要項のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)に以下を基準にして選考判断すると書かれています。
入試においての重要ポイント
guideline.pdf (keio.ac.jp) から引用
- 修士課程 : 多様な学生と共に積極的に学び、そして社会で活用していくために十分な資質、能力、意欲を備えているかどうかを、総合的に判断して選考
- 博士課程 : 修士課程相当の学力・研究力を備え、自ら研究を計画・実行し、そして専門家として社会で活用していくために十分な資質、能力、意欲を備えているかどうか、入学後に研究をすすめるための準備が行われているかを、総合的に判断して選考
上記のことを基準に判断されることを念頭にして、入試対策を行うとよいでしょう。
7.2 入試合格のポイント
入試合格のポイントを志樹舎の指導経験を踏まえて述べていきます。
慶応SDMにおける入試合格のポイントは以下の通りです。
入試合格のポイント
- SDMの先生との面会
- 英語力
SDMの先生との面会
次に、指導希望教員の方への面会について少しお話ししたいと思います。
教員との面談は必須ではありませんが、事前にSDMの先生と面会しておいた方が良いです。
教員の研究・教育分野や研究科の雰囲気を知るためにも、事前に面会していただいて、十分な話し合いを行うべきです。
この指導希望教員の方への事前アポイントメントがSDM受験の第一関門であり、しっかりとした準備が必要であると考えています。
ここでの評価が、SDM受験の合否を大きく左右するといっても過言ではありません。
SDM受験は、「事前の面会で9割決まる」そう思っておいてください。
英語力
まず、SDM入試で有利な学生とは一体、どのような人物なのでしょうか。
これまでの指導経験を踏まえて見てみると、語学力は武器になります。
実際、デザインプロジェクトをはじめ、英語による授業も行われますので、英語力は高い方が好ましいといえます。
出願資格に、「TOEIC●●点以上」などの制約があるわけではありませんが、英語力はSDM受験においてプラス材料になります。
8. 最後に
志樹舎は、大学院入試に特化したオンライン予備校です。慶応SDM(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)の対策に対応しています。
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参考文献