今回はKMD(慶応大学院メディアデザイン研究科)についてご紹介します。
1. KMDの特徴
KMDの特徴は以下の通りです。
KMDの特徴
- 多様性
- チーム活動
では、詳しくそれぞれ解説していきます。
1.1 多様性
KMDには色々な学生がいます。
KMDの学生の特徴は以下の通りです。
KMDの学生の特徴
- 留学生が約半分 (2022年は16か国の留学生・中国人も多数在籍)
- 異なる専門性
- 社会人が多い
色んな人と話して、刺激を受けることができるからいいですね。
1.2 チーム活動
KMDはイノベーションの創出のために、チームでの活動を大切にしていることが特徴的です。
特に国際交流が盛んで、海外の大学院と提携したカリキュラムやイベントを行っています。
人と関わることが好きな人にはもってこいですね。
2. 求める受験生像
受験をする上で、大学の研究科がどのようなことを求められるのかを知ることは重要です。
なぜなら、自分のやりたいことと合致しているのか理解でき、問題の出題の意図も把握できるからです。
では、KMDではどのような能力が求められているのか解説していきます。
2.1 最終ゴール
KMDのHPでは、人材の養成に関する目的・その他の教育研究上の目的として以下のように述べられています。
KMD では、未来をより良いものにするために、世の中に広く目を開き、必要なことは自ら学ぶ情熱を持ち、創造性、デザイン力、根拠に基づく論述能力を統合し自ら率先して活動を先導することができる人材を育成することをミッションにしています。
KMD : Graduate School of Media Design, Keio KMDについて から引用
つまり、未来をより良くするためのリーダーを輩出していきたいという所がKMDの人材養成に関する目的なのです。
これを前提にして、逆算していきましょう。
2.2 求められる能力
KMDにおいて、求められる能力は以下の通りです。
求められる能力
- 英語力
- 発想力・創造力
- 情熱とビジョン
英語力
国際的なリーダーを輩出することが目的なため、英語力が求められています。
さらに、英語と日本語を公用語とするぐらいのレベルが求められています。
発想力・創造力
未来をより良くするためには、問題を解決できるだけではなく、新しい価値を社会に提案・創造することをKMDは求めています。
受動的ではなく、自分から積極的に提案することが求められているのですね。
情熱とビジョン
KMDのアドミションポリシーでは、以下のように書かれています。
●アドミッション・ポリシー
フューチャーズ・リテラシーは、好奇心、想像力、未来思考の視点が必要です。
KMD : Graduate School of Media Design, Keio KMDについて から引用
また、イノベーション・リテラシーでは、柔軟な思考力を有しグローバルな視点をそなえていることが求められます。
メディア・リテラシーでは、オンラインと実空間を融合して協働できる力が重要です。
発想力、構成力、未知の分野への挑戦に対して、情熱とビジョンをもった学生を募集します。
何を学んできたかは問いません。可能性を評価します。書類選考の後、面接による選考を行います。
未来をよりよくするための、情熱とビジョンが求められているのですね。
3. コース・制度・カリキュラムの特徴
KMDの修士課程の履修モデルは上記の通りです。
カリキュラムを詳しく解説する前にまずは、どのようなポリシーなのか確認していきましょう。
3.1 カリキュラム・ポリシー
カリキュラムを通じて以下の3つのリテラシーを獲得することを目標にKMDは取り組んでいます。
3つのリテラシー
- 未来を描くためのフューチャーズ・リテラシー
- 常識にとらわれないイノベーション・リテラシー
- オンラインと対面を融合させて活動するためのメディア・リテラシー
3.2 カリキュラム内容と目的
カリキュラム内容と目的
- 基礎科目 : デザイン・テクノロジー(IT)・マネージメント・ポリシーについて
- 理論戦略科目 : 先端的な知識を習得
目的 : 好ましい未来をデザインする力を身につける - リアルプロジェクト : 外部とのコラボレーションに基づいた活動
目的 : 選択した分野の専門性を高める
リアルプロジェクト
KMD の活動の中心となるリアルプロジェクトについて詳しく解説していきます。
リアルプロジェクトの多くは産官学共同プロジェクトであり、ゼロからイノベーションを創造し、社会的インパクトを生み出すまでの一連の流れを実践していきます。
企業と協力して進めるプロジェクトでは、企業が実際直面する課題や未来を見据えた課題に対して向き合います。
企画立案、調査に始まり、プロトタイピングを繰り返しながら、具体的な成果を追求していきます。
リアルプロジェクトの具体的なコースは以下の通りです。
リアルプロジェクトコース一覧
- Creative Industry : 地方活性と次世代の産業創出
- Network Media : IOTの達成と利用方法
- Policy Project : 新たな情報社会を築く産官学連携プロジェクト
- Future Crafts : 新しいものづくりの手法などの社会実装を目指す
- CREATO! : リテラシーフリーなメディアコンテンツの開発
- Global Education : 国境を超えて学び合う環境の構築
- SAMCARA : 技術とデザインの可能性を広げる研究
- PLAY : 楽しい経験を巧妙にデザイン
- ITOMA : 贅沢あり方を模索
- Geist : 人間と社会についての理解を深める
- Embodied Media : 感性と技術を融合し、未来をプロトタイピング
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
KMD : Graduate School of Media Design, Keio リアルプロジェクト
4. 人気教員・研究室pickup!
KMDの教授でテレビにも出演している岸弘幸教授に関して、pick upしていきます。
4.1 経歴・専門分野
岸教授の専門分野は以下の通りです。
岸教授の専門分野
- 経営戦略
- メディア/コンテンツ・ビジネス論
- 経済政策
また、岸教授の経歴は以下の通りです。
岸教授の経歴
- 一橋大学経済学部卒業、コロンビア大学ビジネススクール卒業
- 通商産業省(現経済産業省)に入省
(産業政策、IT政策、通商政策、エネルギー政策などを担当) - 経済財政政策担当大臣に歴任
リアルプロジェクトではクリエイティブ・インダストリーを担当
元官僚の方に教えてもらえるのは、すごいですね。
5. 入試概要
例として、2023年の入試スケジュールを上記に挙げています。
例年このようなスケジュールでおおよそ行われます。
入学直後に集中的に行われる必修科目の授業は、4月入学の場合は日本語、9月入学の場合は英語で実施されます。
日本語受験 : Ⅱ期 (出願時期9月上旬) Ⅲ期 (出願時期1月上旬)
英語受験 : Ⅰ期 (出願時期4月下旬)
5.1 入試の内容
入試の内容は大きく2つに分かれ、以下の通りです。
入試の内容
- 1 次選考 : 書類審査
- 2 次選考 : 口頭試問(オンライン)
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
1 次選考 書類審査
1次選考の書類審査の内容は以下の通りです。
書類審査の内容
- メディアデザイン研究科への入学志望動機
- 修士課程を通じて解決したい課題や成し遂げたいこと
- 修士課程修了後の希望進路
- 実績 (学術系、芸術系、社会活動・ビジネスなど)
- 思い描く未来社会のビジョンについて
詳しくは、KMDの募集要項(KEIO UNIVERSITY)をご覧ください。
2 次選考 : 口頭試問(オンライン)
2 次選考では、4 月入学を希望する場合は日本語で、9 月入学を希望する場合は英語で1対3の面接があります。
KMDは研究における専門的な知識を問うよりも、あなた自身がどのような人物なのかを探ろうとしているのが特徴的です。
KMDに合う人財なのかどうかを面接で見定めようとしているのです。
6. 入試合格のポイント
入試合格のポイントを解説する前に、KMDがどのような方針で教育しているのか理解していきましょう。
KMDの方針を理解
KMDが入試において重要視している点は一貫しています。
KMDは、受験生が将来、メディアイノベーターになれるだけの素養があるかどうかを見ています。
具体的には、入試の段階で以下のことについてKMDは大切にしています。
入試においての重要ポイント
- 研究の新規性
- 論理性
- 社会的意義
では、それぞれ詳しく解説していきます。
研究の新規性
まず、大学院で研究を行うにあたって、「新規性」がなくてはなりません。
今までの知見をまとめただけでは、新たな研究としては発表できません。先行研究のレビューということになります。
論文の中には、紹介論文というカテゴリーもありますが、KMDでは、まだ誰も踏み入れていない分野や領域に挑戦する気概がある人を面白いと評価します。
研究において新規性はどの大学でも必要なことですね。
論理性
新規性ある研究は、「論理」によって裏付けられたものでなくてはなりません。
どんなにユニークな仮説を立てたとしても、それが論理によって結びついていなければ、学術研究としては認められません。
いかにユニークな内容を道筋立てて説明できるかが重要になります。
社会的意義
社会的意義は社会にイノベーションを起こす研究を行うためには、欠かせない要素です。
社会に良いインパクトをもたらす研究を追究するために、KMDの学生は入学後、全員が「リアル・プロジェクト」に所属し、社会(企業)と積極的に関わりを持ちながら、実践的なプロジェクトを進めていくことになります。
7. 最後に
志樹舎は、大学院入試に特化したオンライン予備校です。KMD(慶応大学院 メディアデザイン研究科)の対策に対応しています。
また、代表講師の小杉樹彦もKMD修了生です。
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参考文献
KMD : Graduate School of Media Design, Keio KMD : Graduate School of Media Design, Keio University is devoted to the education of students in the fields of transdisciplinary area of design, technology, management and policy to educate media innovator.
KMD : Graduate School of Media Design, Keio KMDパンフレット